会社が休業を指示した場合の休業手当(トラブルの前に)

2016.10.27

御社の休業手当は、給与の何パーセントにしていますか?

 

労働基準法26条 (休業手当)

「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。」

 

休業手当は60%支払えばいい?

休業手当

労働基準法26条で会社側の都合による休業の場合は、平均賃金の6割以上を支払わなければならないと規定しています。

 

これは一見すると、休業の際は労働者に平均賃金の6割を支払えば良いと規定しているようにも思えます。

 

60%が落ち着いた経緯

かつて社会が不況に陥ったとき、「雇用調整助成金」の恩恵を受けた企業は少なくありません。

この助成金を受けるとき、企業は従業員にいくら休業補償を支払うかという課題がありました。

ほとんどの企業が60%にしたところ、労働局はこれを受け入れました。この結果「休業補償は60%」という認識が広がったのだと思います。

 

しかし、労働者は働きたかったのに会社側の都合で働けなかった、その結果が6割の賃金しかもえらないとなると、労働者は不満を覚えるでしょう。

これに対して会社側は「みなさんは実際には働いていないけれど、それでもこちらは6割支払うのだから」という思いを持つことで負い目は感じないのかも知れません。

 

民法では100% OK

民法はどうでしょう。

ひとことで言いますと「会社の都合で労働者が働けなかった場合、労働者は働きたいのに働けないのだから、本来100%の賃金を受ける権利がある。6割でいいとはならない」と言っています。

つまり民法において、労働者はいつでも会社に全額の休業手当を要求する権利があると言えます。

 

これに対して労働基準法は「会社は最低基準の6割を支払えば、まず労働基準法違反にはなりません」というまでの意味です。6割を支払えばOKと言ってはいないのです。

 

このため、会社都合による休業で会社が6割の賃金を支払った場合、理屈では、労働者がその気になれば民事裁判を起して100%の賃金支払いを求めることもできます。

 

会社は、会社都合による休業をしなければならなくなったとき、このことを考慮した上で、どのくらいの休業手当を支払うかを決めるようにしてください。

 

※平均賃金の6割とは:

 基本給の6割ではなく、総支給額のうち固定給部分の6割です